インターリービング効果とは?種類の違う問題を混ぜて学ぶことの効果

心理学の法則・効果
なるほど心理学編集部

算数で三角形の面積の問題を何問も続けて解くと、次も同じ計算でよいと分かっているので、すらすら進むことがあります。では、三角形や台形など、違う形の問題を混ぜたらどうでしょうか。練習中は難しく感じても、後のテストでは、問題に合う解き方を選びやすくなる場合があります。

インターリービング効果とは、異なる種類の問題や学習材料を交互に扱うことで、種類ごとにまとめて学ぶ場合より、後で問題を解いたり見分けたりする成績がよくなることがある現象です。どんな内容でも混ぜれば有利になるわけではなく、学ぶ内容の似かたや、後で何を答えるかによって違いがあります。

インターリービング効果とは?種類をまとめる練習との違い

たとえば、三角形・平行四辺形・台形の面積の求め方を一通り習った後に、それぞれ3問ずつ練習するとします。

  • 種類ごとにまとめる:三角形3問、平行四辺形3問、台形3問の順に解きます。直前に使った解き方を、次の問題でも使いやすい並びです。
  • 種類を混ぜる:三角形、台形、平行四辺形、三角形……というように交互に解きます。問題の形や条件を見て、毎回どの解き方が必要か考える並びです。

この二つを比べるとき、扱う問題の数や内容は同じでも、解く順番が違います。インターリービング効果の研究では、この順番の違いが後の学習成績にどう関わるかを調べます。

似た現象に「間隔効果」があります。こちらは、同じ内容を続けて学ぶより、時間を空けて繰り返し学ぶことによる記憶の違いです。種類を混ぜると、同じ種類に再び取り組むまでの間隔も広がりやすくなります。しかし、両者は注目する点が違います。実際に、繰り返す間隔をそろえても、問題の種類を混ぜる利点が見られた研究があります(Taylor・Rohrer、2010)。

なぜ問題を混ぜると後のテストで役立つのか

同じ種類の問題が続くと、問題文を詳しく読まなくても、前の問題と同じ解き方を使えてしまうことがあります。一方、異なる種類が混ざっていれば、その問題の特徴を見て、どの解き方を使うべきか自分で選ぶ必要があります。

たとえば、三角形と台形の面積の問題が交互に出れば、図の形や与えられた長さを確かめ、どの計算が必要かを判断します。このように、それぞれの問題の違いに注意を向けることが、後のテストに役立つという説明が提案されています(Taylor・Rohrer、2010)。

画家の絵を学ぶときも、異なる画家の作品が交互に現れると、直前の絵と何が違うのかを比べる機会になります。この比較が作品の特徴を見分ける助けになるという考え方があります(Kornell・Bjork、2008)。ただし、交互に学ぶ利点は、学ぶもの同士の似かたによっても変わります(Carvalho・Goldstone、2014)。

研究で分かっていること

2008年:画家の作品を交互に見ると、新しい絵を見分けやすくなった

コーネルとビョーク(2008)は、複数の画家が描いた絵を使い、一人の画家の作品を続けて見せる場合と、異なる画家の作品を交互に見せる場合を比べました。学習後には、練習で見ていない新しい絵を示し、どの画家が描いたものかなどを判断してもらいました。

すると、異なる画家の作品を交互に学んだ方が、新しい絵の作者を見分ける成績がよくなりました。しかし参加者は、作品を画家ごとにまとめて見た方が効果的だったと感じる傾向も示しました(Kornell・Bjork、2008)。

つまり、学習中の分かりやすさについての実感と、その後のテスト成績が一致しない場合があります。ただし、この実験では交互に見ることで、同じ画家の絵に再び触れるまでの間隔も変わっています。

2010年:練習中は難しくても、翌日の数学テストでは有利だった

テイラーとローラー(2010)は、子どもたちに4種類の数学の問題を練習してもらい、種類ごとにまとめる方法と、異なる種類を混ぜる方法を比較しました。同じ種類の問題を再び解くまでの間隔はそろえ、問題の順番の違いを調べました。

その結果、練習中は種類をまとめた方がよく解けましたが、翌日のテストでは、種類を混ぜた方の成績が約2倍になりました。研究者たちは、問題に合う解き方を選ぶ力の違いが関わった可能性を論じています(Taylor・Rohrer、2010)。

この研究は、種類を混ぜた利点を、単に練習間隔が長くなったためだけでは説明できないことを示しています。

2014年:形の似たものを学ぶ場合に、混ぜる利点が大きかった

カルバリョとゴールドストーン(2014)は、特徴の組み合わせで種類が決まる人工的な図形を使い、種類同士がよく似ている場合と、あまり似ていない場合を比べました。図形を交互に学ぶか、種類ごとにまとめて学ぶかを変え、直後と24時間後に、学んだ図形や初めて見る図形の種類を判断してもらいました。

種類同士がよく似た図形では、交互に学んだ方が種類を見分けやすくなる傾向が見られました。一方、あまり似ていない図形では、その利点は小さく、どちらの順番が有利か明確ではありませんでした。テストまで24時間空けても、この関係に大きな変化は見られませんでした(Carvalho・Goldstone、2014)。

違いを見つけにくいもの同士を区別する場面では、交互に比べることが役立つと考えられます。

2015年:学校の数学でも、後日のテスト成績が高くなった

ローラーら(2015)は、米国の中学1年生に当たる7年生126人を対象に、約3か月間の数学の練習問題を調べました。生徒が解く問題の内容と数をそろえ、一方では種類ごとにまとめ、もう一方では異なる種類の問題を練習課題に混ぜました。

復習の授業を終えた後、1日後または30日後に予告なしのテストを行うと、どちらの時点でも、種類を混ぜて練習した条件の方が高い成績でした。特に30日後のテストでは差が大きくなりました(Rohrerら、2015)。

ただし、これは特定の学年の数学で調べた結果です。すべての科目や学年で同じ違いが出ると示すものではありません。

2019年:多くの研究をまとめると、内容によって有利な順番が違った

ブルンマイアとリヒター(2019)は、59件の研究をまとめ、種類を混ぜる方法とまとめる方法を比較しました。全体としては、混ぜる方法に学習成績をよくする傾向が見られました。特に絵画などの視覚的な材料では比較的大きな利点があり、数学の課題では小さめの利点がありました。

一方、単語を使った課題では、種類ごとにまとめる方が有利という結果が得られ、説明文を読む課題ではどちらが有利か明確ではありませんでした(Brunmair・Richter、2019)。

種類を混ぜる方法は万能ではありません。何を学ぶかによって、役立ち方も異なります。

2026年:画家の絵を使い、別のテスト方法でも利点が確認された

ドーネンフェルドら(2026)は、画家の絵を学ぶ実験を新たに行いました。最初の実験では288人に新しい絵の作者を判断してもらい、次の実験では276人に、指定した画家の作品が二つの絵のうちどちらかを選んでもらいました。

二つ目のテスト方法は、特定の作者名を答えやすいかどうかが成績に影響する問題を減らすための工夫です。どちらの実験でも、画家ごとにまとめる場合より、交互に学ぶ場合の方が成績がよいという結果が得られました(Donenfeldら、2026)。

この再検証は、絵画の作風を見分ける学習に関する結果を補強しています。ほかのすべての学習内容について、同じ効果を確かめたものではありません。

身近な場面で考える

たとえば、学校で図形の面積を習った生徒が、三角形と平行四辺形と台形の解き方をそれぞれ理解したとします。その後の練習で、問題を種類ごとに並べる代わりに、三つの種類を混ぜて解いてみる方法が考えられます。

このとき重要なのは、ただ問題の順番を変えることではなく、図形や条件を見て、どの計算を使うか自分で考えることです。間違えた問題があれば解き方を確かめ、次に似た問題が出たときに違いを見分けられるか試すこともできます。

これは研究の考え方を日常に取り入れた仮の例です。まだ解き方自体を知らないときは、まず各種類の基本を学ぶ必要があります。また、すべての単語や文章の暗記を同じように混ぜることが、よい学習方法とは限りません。

インターリービング効果は、異なる問題を交互に解くことで、何を使って解くかを判断する練習ができ、後の成績につながる場合があることを示しています。練習中の解きやすさだけでなく、時間がたった後に種類を見分けて解けるかどうかが大切です。

参考文献・出典