間隔効果とは?学習の間隔が記憶の定着に与える影響

心理学の法則・効果
なるほど心理学編集部

英単語を覚えるとき、その日のうちに何度も見直すのと、別の日にも見直すのでは、後で思い出せる量は同じでしょうか。同じ内容を繰り返し学ぶ場合、学ぶ時期によって結果が変わることがあります。

間隔効果とは、同じ内容を繰り返し学ぶとき、短時間にまとめて繰り返すよりも、時間を空けて学ぶ方が、後になって思い出しやすくなることが多い現象です。ただし、どれだけ間隔を空ければよいかは、いつまで覚えておきたいかなどによって変わります。

間隔効果とは?学習の間を空けると何が違うか

たとえば、同じ英単語を3回ずつ学ぶ二つの方法を考えます。一つは1日のうちに3回続けて学ぶ方法、もう一つは最初に学んだ後、翌日と数日後に1回ずつ見直す方法です。最後に学んでから同じ日数がたった時点で思い出せるかを比べると、覚える単語も学ぶ回数も同じでも、成績に差が出ることがあります。比べる点は、学ぶ機会を近づけるか、間を空けるかです。

時間を空けて同じ内容をもう一度学ぶと、前に学んだことを思い起こす場合があります。こうした思い起こしが後の記憶を支えるという説明が提案されています。ただし、間隔効果にはほかの説明もあり、この仕組みだけで全体を説明できると決まったわけではありません。BenjaminとTullis(2010)

研究で分かっていること

言葉の記憶を調べた多くの実験で確かめられている

Cepedaら(2006)は、言葉などを覚えて後で思い出す課題を扱った184本の論文、317件の実験をまとめて分析しました。続けて繰り返す学習と、間隔を置いて繰り返す学習の比較などから、学習の間隔が後の記憶に関わることが確かめられました。

この分析で重要なのは、学習と学習の間隔だけで結果が決まるわけではなかった点です。最後の学習から、覚えているかを調べるテストまでの期間も関係していました。どれくらい先に思い出したいのかを抜きに、最もよい間隔を一つに決めることはできません。Cepedaら(2006)

間隔は長くすればするほどよいわけではない

Cepedaら(2008)は、1,350人を超える参加者に複数の事実を学んでもらい、間隔を空けて復習した後、さらに時間を置いてテストしました。最初の学習から復習までの間隔は最長で約3か月半、復習から最終テストまでの期間は最長で約1年でした。

復習から最終テストまでの期間が同じ条件で比べると、最初の学習と復習の間隔を長くするにつれ、テストの成績はいったん良くなり、その後は下がりました。また、最終テストまでの期間が長い条件ほど、成績が最もよくなる学習間隔も長くなる傾向が見られました。Cepedaら(2008)

つまり、間隔を空けることには利点がありますが、ただ先延ばしにすればよいわけではありません。数日後に使う内容と、数か月後まで覚えていたい内容では、適した見直しの間隔が違う可能性があります。

さまざまな学習法を比較したDunloskyら(2013)の研究整理でも、時間を空けて繰り返す学び方は、学習者の年齢や学ぶ内容が異なる場合にも役立つ、評価の高い方法の一つとされています。ただし、それぞれの人に適した具体的な日程まで一律に定めたものではありません。Dunloskyら(2013)

身近な場面で考える

たとえば、来月の試験に向けて、月曜日に英単語を20個覚え、あと2回見直す時間が取れるとします。月曜日のうちに2回続けて見直すのではなく、水曜日と翌週に1回ずつ見直す方法が考えられます。これは、学ぶ機会を別の日に分けるという間隔効果の考え方を取り入れた例です。「水曜日と翌週」が誰にとっても最適だと研究で決まっているわけではありません。

実際に予定を組むときは、いつ使う知識なのか、前回の内容をどのくらい覚えているかを踏まえ、見直す機会を何回かに分けるとよいでしょう。時間が空きすぎて内容をほとんど思い出せないときには、答えや説明を確認し直してから学び進めます。これらは研究結果を日常の学習に生かすための提案であり、特定の復習日程で必ず成績が上がるという意味ではありません。

間隔効果が教えてくれるのは、繰り返す回数だけでなく、繰り返す時期も、その後の記憶の残り方に関係するということです。覚えた直後にすらすら答えられるかだけでなく、必要なときに思い出せるかを考える手がかりになります。

参考文献・出典