バーナム効果とは?誰にでも当てはまる説明を「自分のこと」と感じる心理

心理学の法則・効果
なるほど心理学編集部

性格診断の結果を読んで、「自分のことを言い当てられた」と驚くことがあります。ところが、まったく同じ説明を読んだほかの人も、自分に当てはまると感じる場合があります。

バーナム効果とは、多くの人に当てはまりうる一般的な性格の説明を、自分自身をよく表していると受け止めやすくなる現象です。文章が当たっているように感じることと、その文章が自分だけの特徴を正確に示していることは、別の問題です。

バーナム効果とは?自分の性格に合うと感じる仕組み

たとえば、「人と一緒に過ごすのは好きですが、ときには一人の時間も必要です」という文章を読んだとします。友人と楽しく過ごした日も、静かに休みたい日も思い出せる人なら、どちらの部分にも心当たりがあるでしょう。

この文章は、誰か一人の行動を調べて書いたものではありません。異なる場面で生じやすい気持ちを幅広く含んでいるため、読む人が自分の経験を当てはめる余地があります。「あなたには、まだ十分に生かせていない力があります」のように、確かめる基準がはっきりしない文章でも、思い当たることを探しやすくなります。これらは仕組みを説明するための仮の文章です。

性格についての一般的な説明には、幅広い人に実際に当てはまる部分や、読む人が自分の状況に合わせて解釈できる部分があります。どちらの部分も、個人向けに書かれたように感じることにつながります(Dickson & Kelly, 1985)。

名称は興行師のP・T・バーナムに由来します。また、この現象を研究した心理学者フォアの名前から、フォアラー効果とも呼ばれます。

フォアの実験では、同じ性格説明をどう評価したのか

心理学者のバートラム・フォアは1949年に、学生39人を対象とした実験を報告しました。学生たちはまず質問用紙に回答し、約1週間後、自分の回答から作られたという性格の説明文を受け取りました。

しかし、実際には39人全員に同じ13項目の説明文が渡されていました。文章の多くは、一般向けの占星術の本に載っていた性格の説明を使ったものでした。学生たちは、それが自分の性格をどれくらい正しく表しているかを、0点から5点までで評価しました。

その結果、評価の平均は約4.3点で、39人のうち34人が4点以上を付けました。学生たちは一人ひとりに合わせて作られたわけではない説明を、多くの場合、自分に合ったものとして高く評価したのです(Forer, 1949。人数と点数はDickson & Kelly, 1985による原研究の整理でも確認できます)。

この実験は、一般的な文章でも「自分のために作られた」と受け取ると、高い評価を得る場合があることを示しました。ただし、対象は授業に参加した39人の学生です。誰でも必ず同じ反応をすることや、あらゆる性格診断の結果が当てにならないことを示した研究ではありません。

どのような説明が「当たっている」と感じられやすいのか

その後の研究をまとめたDicksonとKelly(1985)によると、同じような一般的な性格説明でも、「あなたのための結果」と伝えられたときには、「多くの人についての説明」と伝えられたときより、正確だと評価されやすい傾向がありました。また、好ましい性格として書かれた説明は、好ましくない内容より受け入れられやすい傾向も報告されています(Dickson & Kelly, 1985)。

1997年にDaviesが大学生71人を対象として行った実験でも、好ましい性格の文章は好ましくない文章より正確だと評価されました。また、文章を性格についての診断結果として示した場合は、検査の質問項目として示した場合より、自分に当てはまるという評価が高くなりました。参加者が文章を評価するときに考えた内容を分析すると、好ましい説明や診断結果として示された説明では、「自分に当てはまる」と考える根拠がより多く挙げられていました。ただし、それだけですべての評価の違いを説明できたわけではありません(Davies, 1997)。

つまり、文章そのものに加えて、誰に向けた説明だと伝えられたか、どのような言葉で書かれているかも、当たり具合の感じ方に関係します。

「当たっている」と「自分だけの特徴を表す」はどう違うのか

バーナム効果を理解するうえでは、説明に心当たりがあるかどうかと、ほかの人との違いを捉えられているかどうかを分けることが大切です。たとえば「たまには自信がなくなる」という説明は、実際にそう感じる人にとって間違いではありません。しかし、その人ならではの性格を示す情報は少ないでしょう。

1985年の研究のまとめでは、参加者に「自分に当てはまるか」と「自分だけの特徴を表しているか」を分けて尋ねると、一般的な文章が当てはまることを認めながらも、特別に自分を表す説明ではないと判断できる場合が紹介されています(Dickson & Kelly, 1985)。

そのため、誰かが性格診断を「当たっている」と感じたことだけをもって、診断の方法が一人ひとりの特徴を正しく見分けられると結論づけることはできません。

身近な場面で考える

たとえば、ある人がインターネットの性格診断を受け、「周囲に気を遣うことが多い一方、自分の気持ちも理解してほしいと思っています」と表示されたとします。その人は最近、友人に合わせて予定を変えたことを思い出し、「まさに自分だ」と感じました。

しかし、この文章には、多くの人が経験しうる二つの気持ちが含まれています。同じ文章を別の人が読んでも、その人なりの出来事を思い出して当たっていると感じるかもしれません。これはバーナム効果を日常に置き換えた仮の例です。

性格についての説明が自分に合うと感じたときは、ほかの人にも当てはまる内容ではないか、どのような具体的な行動を根拠に書かれているかを確かめると、説明の受け止め方を整理できます。診断を楽しんだり自分について考えるきっかけにしたりすることと、その文章を自分だけの特徴を示す確かな証拠として扱うことは分けて考えられます。

参考文献・出典

Forer, B. R. (1949). The fallacy of personal validation: A classroom demonstration of gullibility. The Journal of Abnormal and Social Psychology, 44(1), 118–123. 学生全員に同じ性格説明を渡して評価してもらった実験の原研究です。

Dickson, D. H., & Kelly, I. W. (1985). The ‘Barnum Effect’ in Personality Assessment: A Review of the Literature. Psychological Reports, 57(2), 367–382. フォアの実験の人数・評価、一般的な性格説明が受け入れられる条件、当てはまりと個別性の区別についての研究を整理した文献です。

Davies, M. F. (1997). Evaluation of self-relevant information: Acceptance of favourable and unfavourable personality statements as feedback vs test items. Personality and Individual Differences, 23(5), 869–875. 大学生が性格説明を評価するとき、文章の好ましさや示され方によって判断が異なった実験の根拠です。