外集団同質性効果とは?別の集団の人たちが似て見える心理

心理学の法則・効果
なるほど心理学編集部

自分のクラスには、よく話す人も静かな人もいるのに、別のクラスについては「みんな似た雰囲気だ」と感じることがあります。実際にはさまざまな人がいるはずなのに、なぜ違いが見えにくくなるのでしょうか。

外集団同質性効果とは、自分が属する集団の人たちに比べて、別の集団の人たちを互いに似ていると捉えやすくなる傾向です。ここで問題になるのは、実際にどれだけ似ているかではなく、見る側が人々の違いをどう感じるかです。

外集団同質性効果とは?別の集団が一様に見える心理

心理学では、自分が一員だと感じる集団を「内集団」、それ以外の集団を「外集団」と呼びます。たとえば、同じ部活動の仲間は内集団、別の部活動の人たちは外集団に当たる場合があります。

自分の部の人については、「練習熱心だけれど慎重な人」「明るくて気配りする人」など、一人ひとりの特徴を思い浮かべられるかもしれません。一方、あまり知らない別の部については、「あの部の人はみんな活発だ」という一つの印象で捉えてしまうことがあります。

この効果で比べるのは、自分の集団の人同士に感じる違いと、別の集団の人同士に感じる違いです。前者より後者を小さく見積もることが、外集団同質性効果の中心です。

なお、内集団バイアスは、自分の集団を好意的に評価したり優先したりする傾向を指します。外集団同質性効果は、好き嫌いや優遇の程度ではなく、人々の間にどれほど違いがあると感じるかに注目します。別の集団を嫌っていなくても起こりうる現象です。

一人を見て「その集団の人は皆そうだ」と考えるのか

QuattroneとJones(1980)は、ライバル関係にある二つの大学に通う学生95人を対象に、ある人の行動から、その人が属する大学の学生全体をどう予想するか調べました。

参加者は、自分の大学か相手の大学の学生だと説明された人物が、特定の場面で選択をする様子を見ました。その後、「その大学の学生のうち、何%が同じ選択をすると思うか」を答えました。人物の選択と場面を変えながら、三つの状況で判断を調べています。

結果として、参加者の予想は、目の前で見た人物の選択に引っ張られました。特に、自分とは別の大学の学生を見たときの方が、一人の選択を同じ大学の学生全体に広げて予想する傾向が強く見られました。また、あらかじめどちらの選択が多そうかについてはっきりした考えを持っていない場面で、この傾向がよく表れました(Quattrone & Jones, 1980)。

この研究で調べたのは、学生たちが集団全体の行動をどう予想したかです。その大学の学生が実際に同じ選択をした割合を測定したわけではありません。一人の行動を見て集団内の違いを小さく見積もる可能性を示した実験です。

同じ集団かどうかで、人の違いの捉え方は変わる

ParkとRothbart(1982)は、外集団の人たちをどの程度似ていると感じるかについて、複数の実験を行いました。ある実験では、大学にある三つの女子学生団体の人たちに、自分の団体とほかの団体のメンバーが、それぞれどれくらい似ているかを判断してもらいました。

その結果、団体の外の人が評価した場合よりも、所属する本人たちが評価した場合の方が、その団体内の人々を互いに違う人たちだと捉える傾向が見られました。また別の実験では、男性と女性の参加者が、同じ性別の人と別の性別の人に関する情報を見たとき、自分と同じ性別の人について、より細かな特徴を覚えやすいという結果が報告されました(Park & Rothbart, 1982)。

これらの結果は、相手を「同じ集団の一人」として見るか、「別の集団の人」として見るかによって、一人ひとりの特徴への目の向け方や、その覚え方が変わる可能性を示しています。ただし、誰にでも同じ記憶の差が生じると確かめられたわけではありません。

よく知らないことだけが原因なのか

外集団の人と接する機会が少なければ、その集団の一人ひとりの違いを思い浮かべにくいでしょう。しかし、接する人数が少ないことだけで、この効果をすべて説明できるわけではありません。

JuddとPark(1988)は、実験のために作った集団について調べました。自分の集団と別の集団のメンバーに関して、覚えている人物の例の数に差がなくても、集団間で競争することが予想されると、別の集団の方が内部の違いが小さいと判断される結果を報告しました(Judd & Park, 1988)。

この実験は、持っている情報の量だけでなく、相手を競争相手として意識する状況も集団の見え方に関わりうることを示しています。実験で作った集団と競争の条件についての結果であり、日常の競争関係でも必ず同じことが起こるという意味ではありません。

どのくらい広く確認されているのか

Boldryら(2007)は、外集団の人たちを似ていると感じるかどうかを扱った研究をまとめ、173の独立した参加者集団から得られた、計12,078人分のデータを分析しました。集団内の違いの捉え方を調べる11種類の測定方法を比べています。

全体としては、自分の集団より別の集団を似ていると捉えやすいという傾向が見られましたが、その差は平均すると小さいものでした。また、実験のためにその場で作った集団より、もともと存在する集団同士を比べた研究で、傾向が強く見られました。

一方、質問の仕方や集団間の立場の違いによって結果は変わり、一部では自分の集団の方を似ていると捉える結果もありました(Boldry et al., 2007)。外集団同質性効果は、すべての集団や場面に同じ強さで現れる決まりではありません。

身近な場面で考える

たとえば、大学の文化祭で、ある学科の学生が別の学科と合同で展示を準備することになったとします。自分の学科の仲間には、先頭に立つ人も、細かい作業が得意な人も、じっくり考えてから話す人もいます。ところが、別の学科の学生が最初の会議であまり発言しなかったのを見て、「あの学科はみんなおとなしい」と感じたとします。

これは仕組みを説明するための仮の場面です。一回の会議では、発言の機会が少なかった人や、まだ集まりに慣れていない人もいるかもしれません。少数の人の様子を、その学科の学生全体に当てはめているなら、外集団同質性効果に近い捉え方と考えられます。

相手の集団について判断するときは、「その集団の人はこうだ」とひとまとめにする前に、個々の人が何を考え、どう行動したかを分けて確かめると、評価の根拠を整理できます。これは研究で特定の対処効果が証明された方法ではなく、集団の印象と個人について確かめた情報を区別するための提案です。

外集団同質性効果を知ることは、別の集団に属する人たちの中にも、考え方や行動の違いがある可能性に目を向ける手がかりになります。

参考文献・出典

Quattrone, G. A., & Jones, E. E. (1980). The perception of variability within in-groups and out-groups: Implications for the law of small numbers. Journal of Personality and Social Psychology, 38(1), 141–152. 一人の選択から大学の学生全体をどのように予想したかを比べた実験の根拠です。

Park, B., & Rothbart, M. (1982). Perception of out-group homogeneity and levels of social categorization: Memory for the subordinate attributes of in-group and out-group members. Journal of Personality and Social Psychology, 42(6), 1051–1068. 集団内の人々の似かたに関する判断や、集団の内外で個人の特徴の記憶が異なるかを調べた実験の根拠です。

Judd, C. M., & Park, B. (1988). Out-group homogeneity: Judgments of variability at the individual and group levels. Journal of Personality and Social Psychology, 54(5), 778–788. 集団間の競争の予想と、別の集団の違いの捉え方との関係を調べた実験の根拠です。

Boldry, J. G., Gaertner, L., & Quinn, J. (2007). Measuring the measures: A meta-analytic investigation of the measures of outgroup homogeneity. Group Processes & Intergroup Relations, 10(2), 157–178. 外集団同質性効果の大きさと、集団の種類や測定方法による違いをまとめた研究の根拠です。